二次相続の相続税|基礎控除の計算方法と子どもの負担が増える6つの理由

- 相続税の基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算する。
- 二次相続では配偶者が相続人から外れるため、基礎控除が600万円減る。
- 二次相続では配偶者の税額軽減(配偶者控除)が一切使えない。
- 死亡保険金の非課税枠も法定相続人1人分の500万円が減る。
- 対策は一次相続の遺産分割の段階から始めるのが最も効果的。
相続税 基礎控除 計算 二次相続の結論

二次相続で税負担が重くなる最大の理由は、基礎控除が600万円減り、配偶者控除が使えなくなる二重の不利が同時に起きるからです。
相続税の基礎控除は「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」で計算します。法定相続人が1人増えるごとに600万円ずつ枠が増える仕組みです。
一次相続では配偶者がいる分、法定相続人が1人多い。二次相続ではその配偶者が亡くなって相続人から外れます。つまり控除枠が600万円まるごと消えるわけです。
| 法定相続人の数 | 基礎控除額 |
|---|---|
| 1人 | 3,600万円 |
| 2人 | 4,200万円 |
| 3人 | 4,800万円 |
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二次相続のシミュレーションは、家族構成と財産内容で結論が大きく変わるため、最終的には専門家への相談が確実です。

私自身、税理士事務所で相続税申告を約8年担当しましたが、同じ財産額でも分け方ひとつで二次相続の税額が数百万円単位で動くケースを何度も見ました。
この記事では制度の数字を押さえたうえで、現場で見えた「ここでつまずく」ポイントまで踏み込みます。
1.二次相続とは
二次相続とは、一次相続で財産を受け継いだ配偶者が亡くなり、その財産を子どもが相続することを指します。
たとえば父が亡くなり母と子が相続するのが一次相続。その後に母が亡くなり、子だけで相続するのが二次相続です。
父母どちらが先かは家庭によりますが、配偶者を経由してから子へ渡る2段階の相続、という構図は変わりません。
1-1.一次相続と二次相続の違いは何?

最大の違いは、二次相続には配偶者がいないため、配偶者向けの優遇措置がすべて使えなくなる点です。
一次相続では配偶者の税額軽減(配偶者控除)が使えます。配偶者が取得した財産は、1億6,000万円か法定相続分のいずれか多い額まで相続税がかかりません。
ところが二次相続では、その配偶者自身が被相続人になる。守ってくれる存在がいなくなるわけです。
| 項目 | 一次相続 | 二次相続 |
|---|---|---|
| 法定相続人 | 配偶者+子 | 子のみ |
| 配偶者控除 | 使える | 使えない |
| 基礎控除 | 配偶者の分も加算 | 配偶者分が減る |
2.二次相続の問題点は相続税!子どもの税負担が重くなる6つの理由
二次相続で子の負担が重くなる理由は、控除の減少と優遇の喪失が同時に起きるからです。

具体的には、基礎控除600万円減・保険非課税枠500万円減・配偶者の財産加算・税率アップ・配偶者控除不可・小規模宅地等の特例の厳格化という6点です。
このうち効きが大きいのは、正直に言うと配偶者控除が使えないことと基礎控除の減少。次の各節で順に見ていきます。
2-1.二次相続では相続税の基礎控除額が600万円減る
二次相続では法定相続人が1人減るため、基礎控除額が600万円少なくなります。
基礎控除の計算式は「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」。1人減れば、ちょうど600万円分の控除枠が消えます。
たとえば子が2人なら、一次相続(配偶者+子2人=3人)で4,800万円、二次相続(子2人)で4,200万円。差は600万円です。
2-2.二次相続では死亡保険金の非課税枠が500万円減る

死亡保険金の非課税枠は「500万円×法定相続人の数」で計算するため、相続人が1人減ると500万円少なくなります。
二次相続では配偶者が外れる分、保険金で守れる非課税枠も500万円縮みます。
基礎控除の600万円減と合わせると、控除系だけで1,100万円分の差。ここは意外と見落とされやすいところです。
2-3.二次相続では配偶者自身の財産も加算される
二次相続では、一次相続で配偶者が受け取った財産に、配偶者がもともと持っていた財産も合算されて課税されます。

母が父から相続した分と、母自身の預貯金や不動産。これらがひとまとめになって子に渡ります。
課税対象の総額が膨らむため、一次相続で配偶者へ寄せすぎると二次相続で跳ね返る。この点が一番怖いところです。
2-4.相続税の課税対象が増えれば税率もアップする
相続税は超過累進課税なので、課税対象が増えるほど適用される税率も上がります。
二次相続は配偶者控除が使えず財産も合算されるため、課税対象が大きくなりがち。結果として高い税率帯にかかりやすくなります。
基礎控除が減り、財産が増え、税率も上がる。三方向から負担が増すのが二次相続の構造です。
2-5.二次相続では相続税の配偶者控除が適用できない

二次相続では配偶者がいないため、配偶者の税額軽減(配偶者控除)は一切適用できません。
一次相続では、配偶者が取得した財産は1億6,000万円または法定相続分まで相続税がかからない大きな優遇があります。
二次相続ではこの優遇が消え、通常の税額がそのまま課されます。だからこそ一次相続で配偶者控除を使い切ろうとすると、二次相続で重くなる逆転が起きるのです。
2-6.二次相続では被相続人の自宅に対する小規模宅地等の特例の適用要件が厳しくなる
二次相続では同居していた配偶者がいなくなるため、自宅の小規模宅地等の特例を使うハードルが上がります。

配偶者なら無条件で適用できる場面でも、子が適用するには同居や持ち家なしなどの要件をクリアする必要があります。
自宅を別居の子が継ぐ予定なら、一次相続の段階で特例の使い方を設計しておくと差が出ます。負担軽減のひとつの方法として、相次相続控除の活用も検討できます。次の章のFAQで触れます。
よくある質問
二次相続の基礎控除や費用について、相談現場でよく受ける質問をまとめました。
よくある質問
二次相続は「父が亡くなったとき」にどう分けるかで結果が決まります。母にすべて寄せて目先の税金をゼロにする前に、一度トータルの試算を取ってみてください。私が現場で見てきた限り、ここで一手間かけた家族ほど後悔が少なかったです。
