二次相続と一次相続の違いとは?子どもの税負担が重くなる6つの理由

- 一次相続は最初に起きる相続、二次相続は残された配偶者が亡くなって起きる2回目の相続を指す。
- 二次相続では相続人が1人減りやすく、基礎控除が600万円下がる場合がある。
- 二次相続では生命保険金の非課税枠も500万円縮む場合がある。
- 二次相続では配偶者の税額軽減(最大1億6,000万円)が使えない。
- 一次相続で配偶者が全部を相続すると、二次相続で税負担が膨らみやすい。
二次相続 一次相続 違いの結論

一次相続は最初の相続、二次相続は残された配偶者が亡くなって発生する2回目の相続で、二次相続のほうが相続税は高くなりやすいです。
理由はシンプルです。配偶者という強力な節税枠が、二次相続では丸ごと消えるから。
私が実務でいつも伝えていたのは「一次相続の税額だけ見て分け方を決めると損をする」ということ。父の相続で母に寄せて税金ゼロにできても、その分が母の財産に積み上がり、母の相続で子どもへ重くのしかかります。
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二次相続の試算は家族構成と財産の中身で結論が変わるため、最終的には個別相談が確実です。

この記事では制度上の違いを国税庁の情報をもとに整理しますが、自宅の評価や保険の組み方など、踏み込んだ対策は相続専門の税理士に相談するのが近道です。相続税の申告期限は相続の開始を知った日の翌日から10か月以内で、一次・二次どちらも同じ。動き出すのは早いほどいいです。
1.二次相続とは
二次相続とは、一次相続で財産を引き継いだ配偶者などがその後亡くなって発生する、2回目の相続のことです。
たとえば父・母・子2人の家庭。父が亡くなる最初の相続が一次相続です。その後、母が亡くなって子へ財産が渡るのが二次相続。
「一次相続」「二次相続」は国税庁が法令用語として定義した言葉ではなく、相続が起きる順番を表す実務上の呼び方です。だから民法上の相続の発生順から整理して理解するのが安全だと私は考えています。
1-1.一次相続と二次相続の違いは何?

一番の違いは「配偶者がいるかどうか」で、それが相続人の数・控除・税額のすべてに効いてきます。
配偶者と子2人の家庭を例にすると、一次相続の相続人は3人、二次相続では配偶者がいないため2人になります。この1人の差が、基礎控除や非課税枠の大きさをまるごと左右します。
| 項目 | 一次相続 | 二次相続 |
|---|---|---|
| 亡くなる人 | 父(先に死亡) | 母(あとに死亡) |
| 法定相続人の数 | 3人(母+子2人) | 2人(子2人) |
| 基礎控除 | 3,000万円+600万円×3人 | 3,000万円+600万円×2人 |
| 生命保険金の非課税枠 | 500万円×3人 | 500万円×2人 |
| 配偶者の税額軽減 | 使える | 使えない |
2.二次相続の問題点は相続税!子どもの税負担が重くなる6つの理由
二次相続で子どもの相続税が重くなるのは、控除や特例が縮小する一方で、配偶者の財産まで加わるからです。

私が現場で見てきた「重くなる理由」を、国税庁の制度に沿って6つに分けて整理します。一つひとつは小さくても、重なると差は数百万円単位になります。
- 基礎控除額が600万円減る
- 死亡保険金の非課税枠が500万円減る
- 配偶者自身の財産も課税対象に加わる
- 課税対象が増えれば税率も上がる
- 配偶者の税額軽減が使えない
- 自宅の小規模宅地等の特例が使いにくくなる
2-1.二次相続では相続税の基礎控除額が600万円減る
相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で、相続人が1人減れば600万円下がります。
配偶者と子2人の例なら、一次相続の基礎控除は3,000万円+600万円×3人=4,800万円。二次相続では子2人なので3,000万円+600万円×2人=4,200万円です。差は600万円。
この600万円ぶん、二次相続では課税される財産が増えると考えてください。
2-2.二次相続では死亡保険金の非課税枠が500万円減る

生命保険金の非課税限度額は「500万円×法定相続人の数」なので、相続人が1人減ると非課税枠が500万円縮みます。
死亡退職金の非課税枠も同じく500万円×法定相続人の数。二次相続で相続人が減れば、こちらも一緒に小さくなります。
保険を相続税対策に使うなら、枠が大きい一次相続のうちに考えておくほうが効きます。
2-3.二次相続では配偶者自身の財産も加算される
二次相続では、一次相続で配偶者が引き継いだ財産に、配偶者がもともと持っていた財産が合算されて課税されます。

ここを見落とす方が本当に多い。父の財産を母に寄せて一次相続を軽くしても、母自身の預貯金や自宅と合わさって、母の相続の課税対象がふくらみます。
正直に言うと、二次相続が重くなる一番の元凶はこれです。財産が一人に集まる構造そのものが問題なんです。
2-4.相続税の課税対象が増えれば税率もアップする
相続税は課税額が大きいほど税率が上がる仕組みのため、財産が集中する二次相続では適用される税率も高くなりがちです。
基礎控除が減り、配偶者の財産が加わり、非課税枠も縮む。これらが重なって課税対象が押し上がると、同じ財産でも一次相続より高い税率帯に乗ってしまいます。
税額の計算手順そのものは国税庁の「相続税の計算」のとおりですが、二次相続では入口の課税対象が膨らむぶん、出口の税額も膨らむと覚えておいてください。
2-5.二次相続では相続税の配偶者控除が適用できない

配偶者の税額軽減は配偶者だけが使える制度なので、配偶者がいない二次相続では一切使えません。
前述の配偶者の税額軽減は、配偶者が取得した遺産について法定相続分相当額か1億6,000万円のいずれか多い額まで相続税をかけない、非常に強力な制度です。一次相続で税額をゼロにできるのもこの制度のおかげ。
2-6.二次相続では被相続人の自宅に対する小規模宅地等の特例の適用要件が厳しくなる
自宅の評価を最大8割下げられる小規模宅地等の特例は、二次相続では同居や保有継続といった要件を満たしにくくなります。

一次相続なら、配偶者が自宅を相続すれば居住の要件はほぼ問題になりません。ところが二次相続で子が相続する場合、その子が同居していたか、別居なら持ち家がないか、といった条件が立ちはだかります。
自宅を子へどう渡すかは、一次相続の段階で誰が住み、誰が継ぐかまで含めて決めておくのが現実的です。
よくある質問
二次相続と一次相続の違いについて、相談現場でよく受ける質問にまとめて答えます。
