二次相続の相続税計算方法とは?一次相続との違いと注意点を解説

- 二次相続とは、一次相続で残された配偶者が亡くなったときの相続を指す。
- 二次相続では配偶者の税額軽減が使えないため、一次相続より税負担が重くなりやすい。
- 法定相続人が1人減るため、基礎控除が600万円分(600万円×法定相続人の数)減る。
- 相続税の基礎控除額は『3,000万円+600万円×法定相続人の数』で計算する。
- 相続税の申告・納付期限は、相続開始を知った日の翌日から10か月以内。
二次相続 相続税 計算方法の結論

二次相続の相続税は、国税庁が示す通常の計算手順と同じく『課税価格の合計額→基礎控除を引く→課税遺産総額→法定相続分で按分して税率→各人で按分して税額控除』の順で計算します。
所要時間は、財産が現預金中心ならざっと30分〜1時間。難易度は中くらいです。電卓と、国税庁の速算表、亡くなった方の財産一覧があれば手で試算できます。
手順は次の通りです。1ステップ=1動作で並べました。
- 亡くなった配偶者の財産(一次相続で取得した分+もともとの財産)を合計する。
- 基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を差し引く。
- 残った課税遺産総額を、法定相続分で各相続人に按分する。
- 按分した金額に速算表の税率(10〜55%)を当てて、各人の算出税額を出す。
- 各人の算出税額を合計し、相続税の総額を求める。
- 相続税の総額を、実際に取得した割合で各人に按分する。
- 障害者控除など使える税額控除を差し引き、各人の納付税額を確定する。
確認の目安はこうです。ステップ5まで来て『相続税の総額』が出ていれば、計算の山は越えています。あとは各人へ按分して控除を引くだけ。
うまくいかないときは、財産の合計でつまずいているケースがほとんどです。配偶者がもともと持っていた財産を入れ忘れると、税額が実態より低く出ます。両方足すのを忘れずに。
二次相続とは
二次相続とは、一次相続で残された配偶者が亡くなったときの相続のことです。

たとえば父が先に亡くなった一次相続で母と子が相続し、その後に母が亡くなる。これが二次相続です。
ここで効いてくるのが財産の中身です。二次相続では、配偶者がもともと持っていた財産と、一次相続で取得した財産の両方が相続税の対象になります。一次相続のときに母へ多く寄せていると、その分が二次相続で丸ごと課税対象に戻ってくる。
私が実務で見てきた中でも、一次相続では税金が出なかったのに、二次相続で初めて納税が発生する家庭は珍しくありませんでした。
一次相続と二次相続の違い
一次相続と二次相続の最大の違いは、配偶者がいるかどうかです。
一次相続では配偶者が相続人にいるため、配偶者の税額軽減が使えます。一方、二次相続ではその配偶者がすでに亡くなっているので使えません。
さらに法定相続人の数も変わります。二次相続では配偶者が抜けるぶん、相続人が1人減ることが多い。基礎控除式が『3,000万円+600万円×法定相続人の数』なので、相続人が1人減れば基礎控除が600万円減ります。
| 項目 | 一次相続 | 二次相続 |
|---|---|---|
| 配偶者の税額軽減 | 使える | 使えない |
| 法定相続人 | 配偶者を含む | 配偶者が抜けて1人減ることが多い |
| 基礎控除 | 相続人の数だけ加算 | 相続人が減るぶん600万円減りやすい |
| 課税対象の財産 | 被相続人の財産 | 配偶者本人の財産+一次で取得した財産 |
『相続税の計算』に関する関連情報

相続税の計算は、国税庁が示す『課税価格→基礎控除→課税遺産総額→法定相続分で按分→税率→総額→各人へ按分→税額控除』という流れで進みます。
基礎控除額は3,000万円+600万円×法定相続人の数。税率は超過累進で、法定相続分に応ずる取得金額に対して10%から55%まで段階的に上がります。
押さえておきたい期限と窓口も整理しておきます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 基礎控除額 | 3,000万円+600万円×法定相続人の数 |
| 税率 | 10%〜55%の超過累進税率 |
| 申告・納付期限 | 相続開始を知った日の翌日から10か月以内 |
| 提出先 | 被相続人の死亡時の住所地を所轄する税務署 |
二次相続でつまずきやすいのが、財産の集計です。前述の通り、配偶者本人の財産と一次相続で取得した財産を合わせて課税価格を出します。片方だけで計算すると数字が合いません。
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小規模宅地等の特例は、一定の要件を満たす土地の評価額を減額できる制度ですが、二次相続では同居要件などで使いにくくなる場合があります。こうした要件の判定こそ、対面で確認したいところです。
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正直に言うと、私が現場にいた頃も、一次相続の遺産分割を母に寄せすぎて二次相続で苦しむケースが一番多かった。配偶者の税額軽減で目先の税金がゼロになると、つい安心してしまうんですね。
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そもそも申告が必要かどうかは、財産が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えるかで判断します。
超えなければ申告は不要、超えれば申告が必要、という線引きです。ただし二次相続では相続人が減って基礎控除そのものが下がるため、一次相続では不要だった申告が、二次相続では必要になることがあります。
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二次相続は申告期限が相続開始を知った日の翌日から10か月以内と決まっています。動き出しが遅れると、特例の検討や遺産分割協議が間に合わなくなる。だからこそ、相談のハードルが低いことは実利として大きい。
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相談対応が柔軟なので、一次相続の分割をこれから決める段階でも、二次相続が既に発生した後でも相談できます。
一次相続が未分割のまま二次相続が起きると、手続きは一気に複雑になります。誰がどの財産を相続するかが確定していないと、二次相続の計算が組み立てられないからです。早めに専門家を挟むほど、こじれずに済みます。
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相続税の申告書の提出先は、亡くなった方の死亡時の住所地を所轄する税務署です。拠点が多いと、その地域の実情に沿った相談がしやすい。これは地味ですが効いてきます。
よくある質問
二次相続の計算方法・費用・始め方について、相談現場でよく受ける質問に答えます。
よくある質問
二次相続は『一次相続の分け方』で結果が決まります。父が亡くなった今のうちに、母が亡くなった後までざっと試算しておく。これだけで子どもの負担はかなり変わります。まずは財産一覧を一枚作るところから始めてください。
