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相続税の控除制度

相次相続控除とは?対象者・控除額・計算方法をわかりやすく解説

梶原 誠一 / 更新:2026-06-24
相次相続控除とは?対象者・控除額・計算方法をわかりやすく解説
親が亡くなって相続税を払ったばかりなのに、今度はその配偶者まで続けて亡くなった——そんなとき、同じ財産に二重で税金がかかるようで納得できない、という相談を私は何度も受けてきました。そういう短期間に相続が続いた人を救うのが「相次相続控除」です。前回の相続で払った相続税の一部を、今回の相続税から差し引けます。
  • 相次相続控除とは、10年以内に続けて相続が起きたとき、前回の相続税の一部を今回の相続税から差し引ける制度です。
  • 控除額は前回の相続税額をもとに、1年経つごとに10パーセントずつ減らして計算します。
  • 適用できるのは、今回の被相続人の相続人だけです(相続放棄した人や遺贈だけの人は対象外)。
  • 前回の相続で被相続人に相続税が課税されていなければ、この控除は使えません。
  • 適用には相続税申告書の第7表(相次相続控除の計算書)を添付して提出します。

相次相続控除とはの結論

相次相続控除とは
相次相続控除とは

相次相続控除とは、10年以内に2回続けて相続が発生した場合に、前回の相続で課された相続税の一部を今回の相続税から差し引ける制度です。

短い期間に相続が重なると、同じ財産にほぼ二重で相続税がかかってしまいます。その負担を和らげるのが、この制度の目的です。国税庁のタックスアンサーでも、前回の相続税額のうち1年につき10パーセントの割合で逓減した後の金額を控除すると明記されています。

私が現場で見てきた限り、見落とされやすい控除の代表格です。前回の相続から日が浅いほど控除額が大きくなるので、該当しそうなら必ず確認してほしい。

前回の相続から今回の相続までが10年以内であること。これが大前提です。10年を1日でも超えると一切使えません。

対象税目

相次相続控除の対象となる税目は、相続税です。

対象税目

贈与税や所得税には関係しません。あくまで、今回の相続で計算された相続税額から一定額を差し引く、という形で効いてきます。

前回の相続で支払った相続税が「原資」になるイメージです。前回ゼロ円だったなら、差し引く元がないので控除も発生しません。

概要

相次相続控除は、前回の相続税額を基礎に、経過年数に応じて1年につき10パーセントずつ減らした金額を、今回の相続税から控除する仕組みです。

考え方はシンプルです。前回の相続から1年経つごとに、控除できる枠が10パーセントずつ削られていく。だから、経過年数が短いほど控除額は大きく、長いほど小さくなります。

たとえば前回の相続から1年以内なら、ほぼ全額が控除の対象に近くなります。9年経っていれば、残りはわずかです。

経過年数と控除のイメージ
1年につき10パーセントずつ逓減する。下表は減り方の方向感を示すもので、実際の控除額は前回の相続税額や取得割合で変わる。
前回相続からの経過控除枠の残り方
1年以内大きく残る
5年前後半分程度に減る
9年超〜10年以内わずかに残る
10年を超える適用なし(控除ゼロ)

相次相続控除が受けられる人

【相次相続控除】10年以内の2回相続は相続税が安くなる?遺贈の場合や配偶者控除等との関係をわかりやすく解説!
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相次相続控除を受けられるのは、今回の被相続人の相続人であり、かつ前回の相続で被相続人に相続税が課税されていた人です。

具体的には、次の3点をすべて満たす必要があります。

  1. 今回の相続で、被相続人の相続人であること。
  2. 今回の相続開始前10年以内に開始した相続で、被相続人が財産を取得していること。
  3. その10年以内の相続で取得した財産について、被相続人に相続税が課税されていること。

ここで注意したいのは「相続人であること」が外せない条件だという点です。相続を放棄した人や、相続人ではないのに遺贈で財産をもらった人は、この控除を使えません。

相続放棄をすると相続人ではなくなるため、相次相続控除も使えなくなります。放棄を検討するときは、この控除を失う可能性も天秤にかけてほしい。

相次相続控除の額

控除額は、前回の相続で被相続人に課された相続税額をもとに、経過年数に応じて1年につき10パーセントずつ減らして計算します。

相次相続控除の額

正確な金額は、前回の相続税額・経過年数・各相続人が今回取得した財産の割合などで変わります。だから、一律「いくら」とは言えません。個別に計算するしかない部分です。

ざっくりした傾向だけ押さえておきましょう。前回の相続から日が浅いほど大きく、時間が経つほど小さくなる。10年を超えればゼロ。これだけは確実です。

実務では、相続税申告書の第7表(相次相続控除の計算書)に数字を当てはめて計算します。前回の相続税の申告書控えが手元にあるかどうかで、作業のしやすさがまるで違います。

前回の相続税申告書(特に納付した相続税額がわかる書類)は、捨てずに保管しておいてください。相次相続控除の計算で必須になります。

根拠法令等

相次相続控除の一次情報は、国税庁のタックスアンサー「No.4168 相次相続控除」で確認できます。

そこには、10年以内に2回以上相続が続いた場合の控除であること、前回の相続税額のうち1年につき10パーセントの割合で逓減した後の金額を今回の相続税から控除すること、という制度の骨格が示されています。

私が記事を書くときも、まずこのページを基準にしています。民間サイトの解説は分かりやすいぶん表現がぶれることがあるので、最後は公式に戻して確認するのが安全です。

関連リンク

#115相続税の税額控除シリーズ・第5弾 相次相続控除
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相次相続控除をもっと深く調べたい人向けに、信頼できる解説ページを用途別に整理しました。

相次相続控除の参考ページ
いずれも制度の要件・計算・手続きを扱う解説ページ。
調べたいこと参考ページ
制度の公式な定義国税庁 No.4168
要件の整理stgy-souzoku の解説
計算と第7表の書き方zeirisi.co.jp の解説
注意点・適用ケースyoshizei の解説

QAリンク

読者から実際によく聞かれる疑問を、先回りして整理しておきます。

QAリンク

「兄弟間の相続でも使えるのか」「相続税の申告後に気づいても間に合うのか」「遺産が未分割でも適用できるのか」——このあたりは特に質問が多い論点です。記事後半のよくある質問でまとめて答えています。

個別事情が絡む計算は、税理士に確認するのが結局いちばん早い。前回の申告書を持って相談に行くと話が早く進みます。

お問い合わせ先

相次相続控除を実際に使えるかどうかは、前回の相続税額と経過年数を確認すれば、専門家が比較的早く判断できます。

判断の材料は主に2つ。前回の相続から10年以内かどうか、前回の相続で相続税を払っているかどうか。この2つがそろえば、適用の可能性は高い。

前回の相続税申告書の控え、今回の遺産の一覧、相続人の関係がわかる戸籍——この3点を用意してから相談すると、初回でかなり踏み込んだ話ができます。

税の情報・手続・用紙

【保存版】相次相続控除 完全攻略
【保存版】相次相続控除 完全攻略

相次相続控除を使うには、相続税申告書に第7表(相次相続控除の計算書)を添付して提出します。

相続税の申告期限は、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内です。この期限内に、第7表を含む申告書一式を税務署へ提出します。

用紙や記載要領は国税庁のサイトから入手できます。第7表は前回の相続税額や経過年数を順に当てはめていく様式なので、前回の申告書控えが手元にあると記入がスムーズです。

申告期限は「相続開始を知った日の翌日から10か月以内」。相次相続控除を使うつもりなら、この期限までに第7表を添付して申告してください。

税について調べる

相次相続控除のように見落とされやすい控除は、制度名を知っているかどうかで結果が変わります。

税について調べる

私が実務で痛感したのは、「前回も相続税を払った」という記憶が家族の中で薄れていることの多さです。10年前の相続だと、書類がどこにあるか分からない、という家庭が珍しくない。

だからこそ、今回の相続が発生したら「過去10年以内に身内の相続はなかったか」を最初に確認してほしい。該当すれば、相次相続控除の検討に進めます。

よくある質問

相次相続控除について、読者が実際に検索する言い回しのまま、よくある疑問に答えます。

よくある質問

相次相続控除とは?
10年以内に2回続けて相続が発生した場合に、前回の相続で課された相続税の一部を、今回の相続税から差し引ける制度です。前回の相続税額のうち、1年につき10パーセントずつ逓減した後の金額を控除します。短期間に相続が重なったときの二重課税の負担を和らげるのが目的です。
相次相続控除の費用は?
相次相続控除そのものに手数料はかかりません。制度を使うための費用ではなく、逆に相続税を減らす控除です。ただし計算や申告書(第7表)の作成を税理士に依頼する場合は、その報酬がかかります。前回の相続税額や取得割合で控除額が変わるため、複雑なケースほど専門家に頼む価値があります。
相次相続控除の始め方は?
今回の相続税申告書に、第7表(相次相続控除の計算書)を添付して提出します。まず過去10年以内に身内の相続がなかったか、その相続で被相続人が相続税を払っていたかを確認してください。要件を満たせば、前回の相続税申告書の控えをもとに第7表で控除額を計算し、申告期限(相続開始を知った日の翌日から10か月以内)までに申告します。
兄弟間の相続でも相次相続控除は使える?
使えます。前回の相続で被相続人が財産を取得して相続税が課税されており、今回その被相続人の相続人になっていれば、兄弟姉妹間の相続でも適用できます。続柄ではなく、相続人であることと前回の課税の有無が判断のポイントです。
相続税の申告後に気づいても適用できる?
気づいた時期によって対応が変わります。要件を満たすのに控除を適用せず申告してしまった場合は、更正の請求などで取り戻せる可能性があります。早めに前回の申告書控えを用意して税理士に相談してください。

最後に実務目線で一つ。相次相続控除は「知らないと取りこぼす」典型の控除です。過去10年以内に相続を経験した家庭は、今回の申告前に必ず一度立ち止まって確認してほしい。前回の申告書を引っ張り出すところから始めれば、たいていの判断はつきます。

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梶原 誠一

元税理士事務所勤務(相続税申告サポート担当・約8年) ・ ファイナンシャルプランナー2級

税理士事務所での相続実務を経て、現在は相続・終活分野の情報サイトで執筆・編集を担当。制度の建前ではなく、実際の申告現場で見えた家族ごとの事情を軸に記事をつくる。

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税理士事務所での相続実務を経て、現在は相続・終活分野の情報サイトで執筆・編集を担当。制度の建前ではなく、実際の申告現場で見えた家族ごとの事情を軸に記事をつくる。

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