遺産相続税はいくらから?2015年改正で課税対象が倍増した仕組みを解説

- 相続税は基礎控除額を超えた場合にだけかかる。
- 基礎控除額は『3,000万円+600万円×法定相続人の数』で計算する。
- 法定相続人が1人なら基礎控除は3,600万円、3人なら4,800万円。
- 令和5年に相続税がかかった人の割合は約9.9%。
- 相続税の税率は10%〜55%の8段階で、取得額が多いほど高くなる。
遺産相続税はいくらからの結論

相続税は、遺産から借入金や葬式費用などを差し引いた金額が基礎控除額を超えたときに発生します。
基礎控除額は『3,000万円+600万円×法定相続人の数』。これが相続税を理解するうえで一番大事な数字です。
国税庁の税率表では、法定相続分に応ずる取得金額に対して10%から55%の8段階の税率が設定されています。
私が税理士事務所にいた頃、「うちは遺産が5,000万円あるから相続税が500万くらいかかる」と思い込んで相談に来る方が本当に多かった。実際は基礎控除を引いた残りに税率をかけるので、思っているより安く済むケースがほとんどでした。
Q&A ~身近な税について調べる~
相続税は『誰もが必ず払う税金』ではなく、財産が一定額を超えた一部の家庭にかかる税金です。

財務省の説明では、令和5年に相続税がかかった人の割合は約9.9%。つまり亡くなった方のうち、相続税が発生したのは10人に1人ほどです。
「相続税=お金持ちの話」という感覚は半分正しく、半分は古い。2015年の制度改正で対象者は広がりました。都市部に持ち家があると、意外と対象に入ってきます。
Q 親が亡くなりました。遺産を相続する場合にどのような税金がかかるのですか?
遺産を相続したときにかかる可能性があるのは相続税で、基礎控除額を超えた財産部分に課税されます。
相続財産には現金や預貯金だけでなく、土地・建物・有価証券・生命保険金なども含まれます。そこから借入金・未払金・葬式費用を差し引きます。
この差し引き後の金額が基礎控除以下なら、相続税はかかりません。実務でも、この『差し引き後で判定する』ことを知らずに焦る方が多い印象です。
A 回答

相続財産から債務や葬式費用を差し引いた額が基礎控除額を超えるときに、超えた部分に相続税がかかります。
基礎控除は『3,000万円+600万円×法定相続人の数』。法定相続人が1人なら3,600万円、配偶者と子2人の計3人なら4,800万円です。
| 法定相続人の数 | 基礎控除額 |
|---|---|
| 1人 | 3,600万円 |
| 2人 | 4,200万円 |
| 3人 | 4,800万円 |
| 4人 | 5,400万円 |
関連リンク
相続税の正確なルールは国税庁の税率表で確認できます。自己判断で計算する前に、一次情報に当たるのが安全です。

特に税率や控除の細かい条件は毎年見直しの対象になるため、公式ページで最新の内容を見ておくと安心です。
目次
この記事では、相続税がいくらからかかるのか、基礎控除の計算、配偶者の税額軽減、計算手順、申告の期限まで順に解説します。
- 相続税がかかる人の割合と地域差
- 相続税はいくらから発生するか
- 基礎控除額の計算方法
- 税率と計算の基本手順
- 配偶者の税額軽減などの特例
- よくある質問
相続税のかかる人は 2015年から倍増、 東京の場合は2022年で およそ5.3人に1人

相続税がかかる人の割合は、令和5年で全国約9.9%です。
財務省の説明では、令和5年に相続税がかかった方の割合は約9.9%。全国平均でみると、亡くなった方のおよそ10人に1人が対象という水準です。
2015年の基礎控除引き下げ前は、この割合がもっと低かった。改正で基礎控除が4割減ったことで、対象になる家庭が一気に増えました。
制度改正により相続税の 課税割合が倍増
2015年の相続税改正で基礎控除額が引き下げられ、課税対象になる人が大きく増えました。

改正前の基礎控除は『5,000万円+1,000万円×法定相続人の数』でしたが、改正後は『3,000万円+600万円×法定相続人の数』に。法定相続人3人の例では、8,000万円あった基礎控除が4,800万円まで下がった計算です。
正直に言うと、この改正のインパクトを一番受けたのは都市部の持ち家世帯です。現金は少なくても、土地の評価額だけで基礎控除を超えてしまうケースが現場で増えました。
相続税の課税割合は 地域差が大きい
相続税がかかる割合は地域によって差があり、地価の高い都市部ほど対象になりやすい傾向があります。
理由はシンプルで、相続財産に占める土地の評価額が大きいからです。同じ間取りの自宅でも、地方と都心では評価額が何倍も違うことがあります。
私の経験では、地方で『うちは関係ない』と思っていた方が、都内の親名義のマンションを相続して初めて課税対象だと気づく、というケースが何度もありました。
相続税はいくらから 発生する?

相続税は、課税対象の遺産総額が基礎控除額を超えた金額に対して発生します。
法定相続人が1人なら3,600万円、3人なら4,800万円が基礎控除額の目安。ここを超えなければ相続税はゼロです。
令和6年の統計では、課税価格の総額は23兆3,846億円、被相続人1人あたり1億4,025万円。申告税額の総額は3兆2,446億円で、1人あたり1,946万円でした。これは課税対象になった人だけの平均なので、全体平均ではない点に注意してください。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 課税価格の総額 | 23兆3,846億円 |
| 被相続人1人あたりの課税価格 | 1億4,025万円 |
| 申告税額の総額 | 3兆2,446億円 |
| 被相続人1人あたりの申告税額 | 1,946万円 |
遺産総額が基礎控除額を上回るときに相続税が発生する
相続税は、課税遺産総額が基礎控除額を上回るときにだけ発生し、上回らなければ申告も不要です。

計算の基本は、まず遺産総額から基礎控除を差し引いて課税遺産総額を求めること。次に法定相続分で按分し、各人の税額を計算して合算します。
配偶者には強力な軽減があります。配偶者が取得した遺産は、1億6,000万円または配偶者の法定相続分相当額のどちらか多い金額まで相続税がかかりません。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 課税遺産総額を算出する(遺産総額−基礎控除額) |
| 2 | 課税遺産総額を法定相続分で按分する |
| 3 | 按分額に税率をかけて相続税の総額を算出する |
| 4 | 実際の相続割合にしたがって各人の税額を出す |
| 5 | 配偶者の税額軽減などの控除を行う |
よくある質問
相続税の『いくらから』をめぐって、実務でよく聞かれる質問をまとめました。
よくある質問
最後に実務目線で一つ。配偶者がいる一次相続より、子だけで分ける二次相続のほうが税負担は重くなりがちです。配偶者の税額軽減が使えず、基礎控除も法定相続人が減るぶん小さくなるからです。目先の節税だけで一次相続の遺産配分を決めると、二次相続で苦しむことがあります。迷ったら、相続専門の税理士に一度試算してもらうのが結局いちばん早いです。
